オムdiaの2022年第3四半期の「大型ディスプレイパネル市場の市場追跡レポート」(Large Area Display Market Tracker 3Q22)の最新データによると、2022年の大型ディスプレイパネルの出荷台数は前年比8%減、出荷面積は前年比3%減となっています。
Omdiaのディスプレイパネル研究の首席アナリストである蘇冠錦(Peter Su)氏は、「2022年初頭には、予想される需要が堅調(特にIT製品の需要)を維持しているため、多くのブランドや小売業者がパネルの仕入れを継続し、高い在庫を維持することを選択しています。しかし、世界的な景気後退や新型コロナによる需要の牽引後の需要の鈍化、ロシア・ウクライナ戦争が大型ディスプレイパネルの需要を低下させています。そのため、テレビブランドは2022年第2四半期から、ITブランドは2022年半ばからパネル調達の削減を開始します。ノートパソコンやディスプレイのメーカーのようないくつかのブランドは、パネルの需要を当初の計画の半分にまで削減しており、複数のOEMブランドは2022年第4四半期にパネルの調達量をさらに削減しています。このため、2022年はタブレット、ノートpc、ディスプレイなどのITディスプレイ用パネルの出荷が低迷し、大型ディスプレイ用パネルの出荷が全体的に減少することになる」としています。
Omdiaの研究によると、2022年には大型ディスプレイパネルの総出荷量の55.2%を中国が占める見込みで、台湾が24.9%、韓国が14.7%となっています。大型ディスプレイ・パネルの総出荷面積におけるシェアは中国が61.3%でトップとなり,次いで台湾が17.1%,韓国が15.4%となる見込みです。2022年には大型表示パネルの出荷・出荷面積において京東方が33.1%と26.1%でトップシェアを占める見込みで、次いで群創光電が出荷シェア13.3%、華星光電が出荷面積シェア17.4%となっています。
出典元:オムディア